仮説とともに
も く じ
まえがき ………………竹田美紀子
★社会を知るための<数学入門>の構想 2002.8.20
「世界の大国の面積くらべ」をまとめる時のお話より
板倉聖宣(岸 勇司・編集)…… 1
一般の人にこうした〈誤差の哲学〉がないのは,計算能力ばかり高められたのが原因です。事細かい計算ばかりやらされていて,結果的に〈約〉が嫌いになっています。〈約〉とか〈ほぼ〉という概念があるからこそ〈本当の数〉がわかるのに,数字が細かければそれだけ正しい,と考えてしまっています。
★
「たのしい授業によって変わる学級・学校・社会」
群馬・たのしい授業入門講座 2002.8.28
板倉聖宣(竹田美紀子・編集)……11
政府が変わること、それも革命かもしれませんが、そんな革命はどうってことないです。人々の意識が変わるってことが本当の革命なんです。 そうことで、楽しい授業で変わる社会というものは、それはあるところまでいくと急激に展開するものだと私は思っています。
★ことばの教育 ―たのしい授業のために―
堺「ことばと教育・国語教育研究会」 2002.8.2
対談: 板倉 聖宣 ・ 野名 龍二(原田研一・編集)……28
これは,科学者としての僕は決め付けます。だって,子どもがこれだけ学校嫌いになり,「勉強したくない」と思っているのです。日本は大学まで行っている連中がたくさんいるけど,大学に行った連中が「これからは勉強しない」と決意して大学を出ちゃうのです。だから,小学校の先生から大学の先生まで教育に成功していないのですね。そういう事態の認識がなければ改革は進まないのです。
★ 仮説実験授業入門 2002.7.28
鳥取・皆生温泉 仮説実験授業入門講座
西川浩司(東垣 淳・編集)……71
とにかく子どもが自発的に,自分から進んで,「自分が勉強したいから」「たのしいから勉強するんだ」という感じで,進んで勉強できるような雰囲気を作りながら,授業書は必ずそれを援助しながら,子どもたちに的確な刺激を与えてくれます。
★「同和教育の成果と課題と展望」 2002.8.10 宝塚仮説サークル101回例会記念講演
宝塚・美座小学校 住本健次(浜野純一・編集)……100
「同和教育の視点に立った授業をおこなってください」というふうな言いかたがされるんですけれども,じゃあ実際にどうしたらいいのかというのは,ほとんどわからないんですよ。
★「元禄時代にできあがった〈近世の庶民〉像」 2002.8.10 宝塚仮説サークル101回例会記念講演
宝塚・美座小学校 住本健次(浜野純一・編集)……134
いい面も悪い面もふくめて,そういう共同体ができたのが元禄時代。そういう共同体に生きる庶民が政治や社会を動かしていった。支配者も庶民を無視しては,社会を動かすことができなくなってきたのが元禄時代以降。
★「新規採用教員への期待」 2002.7.2
鳥取県教育センター 片山善博……177
どちらかというと物づくりの方を大切にしてきて,人づくりの方はちょっと後回しにしてきた嫌いがないわけではありません。これからはぜひ,一人一人を大切にする,そういう社会でありたいし,まずは教育の現場をそういうふうに仕向けていただきたい。
● 今日のことは一生忘れない 〜ミャンマーでの仮説実験授業〜
ヤンゴン日本人学校 富田 秀紀(ミャンマー)……207
「ミャンマーの学校で,ミャンマーの子どもたちに授業ができる!」と有頂天になっていてはいけません。まず,問題になるのは「言葉の壁〈ミャンマー語(注3)〉」です。こちらで1年半生活し,日常会話が少しはできるようになったものの,まだまだ修行がたりません。
●子どもたちも楽しんでやれる
大学生が見た「いくつあるかな?○○やさん」
西村寿雄・・・・・・・228
時あたかも、現場では〈総合的な…〉で話題が沸騰している。学生さんも、もうすぐ教育実習に出るが、こういう総合的な学習の授業にふれたときに目の付け所となる授業書はないかと探っていた。そういう時に気がついたのがこの「いくつあるか?○○屋さん」である。
●未来の学校!?での仮説実験授業 岡崎則武(岡山)……244
新任の先生はもちろん,年輩の先生でも,生徒の側に立たない先生,謝れない先生,筋の通らない先生はやられます。転勤早々,こういう話を聞かされて,僕は「たいへんなことになったな」と思うと同時に,「だから仮説実験授業だ。まさに,仮説実験授業のためにある学校だ」と思いました。
●妻の仮説デビュー。 岡崎則武(岡山)……249
続いて,今年は《りこうな馬ハンス》という授業プラン。これは,農業高校ということもあり,関心も高かったようです。私も大好きな授業プランの1つです。そして,学年の最後に「何かいい授業ない?」と聞かれて僕が紹介したのが授業書《生類憐みの令》でした。
●1学期を終えて 板坂裕子(大阪)……254
『1学期の楽しかったこと』または『先生へ』『みんなへ』という題から書きやすいのを選んで書いてもらうことになりました。「口で言ったら数十秒ですぐ終わるから、楽だと思うんだけど、ご苦労さんなことやねぇ」と思わず皮肉を言ってしまった私。
●元気の素は仮説だった 板坂裕子(大阪)……258
授業書を初めてしまえば、いろいろなこと(教科書とか、テストとか、総合とか)
はどうにかなるものですし、授業書ができる状態に自分が置かれていると思うだ
けで元気がでてきました。
● おばあちゃんまた来年絶対来るね!森永幸夫(北海道)……260
今年で5回目ですが,連続5回参加のおばあちゃんがいます。田口さんというおば
あちゃんです。もう79歳になっちゃった。そのおばあちゃんは第1回目からのプリ
ントやおみやげをずっととっておいてくれているんです。
●〈借金の数学〉を授業して 田中一成 (福岡)……262
『電気製品の生産』では、生物の増え方や借金の増え方と同じく、冷蔵庫や洗濯機も同じような形で増えていることがはっきりとわかります。携帯電話も今は売れているけれど、いつかは冷蔵庫のように成長率がクキッとダウンする時が必ずくるから、「見極めが大事だよね」という話も付け加えました。
●テストの日にはダブルマック 浜野純一(兵庫)……265
「家では(ふだん学校では書かない)むずかしい字を入れてきた」という子がいたり,書いてきたものを見せあって,「これと同じのを書いて倍をねらう」とか「どっちかで0列賞をとれるように,ちがうのを書く」などと,作戦を披露しあったり,ふだんにやっているマッキーノには,ないたのしみが増えるようです。
●木曽岬小学校・仮説の歩み 小林美佳(大阪)……269
それにもう一つ私が思うのが,(職員に)自分で判断し決定できる人,楽しい事は楽しいと思える人が(いた)いるということです。いろんなしがらみや今までの慣習にとらわれず,自分の感性を大事にして物事を判断できる。
●県外研修報告 滝口由美子(三重)……274
自分が出席したい分科会を決め,発表したいことがあれば分科会やナイターをどんどん主催できる会であったので,参加した人たちは,主体的に動いていて生き生きとしていました。
●案ずるより産むが易し? その1 伊藤穂澄(三重)……277
すると,校長先生は「ぼくが校長である間にやれ」と言ってくれるではありませんか・・「えっ・・本当にやってもいいのですか?」という私。うれしくて,「子どもを借りて,仮説実験授業の公開授業をしたいんです。そして板倉先生に講演をしてもらって・・」
●案ずるより産むが易し? その2 伊藤穂澄(三重)……282
簡単に言えば,物理のわからない私の<ふりこと振動>に対するいやな先入観と,講座で言われたとおりにやらなければだめだ。という優等生根性?のせいだと思います。
●体験講座と授業ノート 伊藤穂澄(三重)……286
竹田さんの講座はサークルのメンバーにも「わかりやすい」と定評がありますが,「わかりやすい」だけでなく,「なんだか私にもできそう」と思えるものがあるような気がしました。そこで,私なりに今回3回も竹田さんの講座を受けて思ったことをまとめてみたいと思います。
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<日本のとなりの国の文字を読もう>を終えて
伊藤穂澄(三重)……291
「ハングル」はすごく楽しかったです。そして「ハングル」を勉強したことで韓国が身近になりました。今年はワールドカップがあって韓国の話や情報がよく入ってきたということもあるけど,子どもたちも韓国が身近になったと思います。(これって何よりの国際理解ですよね。)
● 〈日本の隣の国の文字を読もう〉のプランについて
竹田美紀子(愛知)……295
ところが、このハングルのプランでは、そんな私がハングルを覚えることに意欲的になってしまいました。今ではたどたどしいながらも、何の表も見ないで読み・書きできます。そして、それを嬉しいと感じている私がいます。
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11月の木曽岬小での「公開授業&研究会」
竹田美紀子(愛知)……299
そんなわけで全校生徒のうち、仮説実験授業を体験したことのない子は2〜3クラス程度という状況になっていました。さらに、穂澄さんが今の学校に転勤する前に出会ったとっても仮説実験授業に好意的な校長さんが、その後また、この学校に転勤して来たのです。
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木曽岬小の先生たちはホントに素敵な人たちでした。
竹田美紀子(愛知)……306
今日の講座には13人もの先生が自主的に参加してくださり,しかも,みんなのびのびと意見をいい,実験結果にキャーキャーとまるで子どものように喜んで,たのしいときをすごしてくださったのです。
●難しい授業書と授業運営 竹田美紀子(愛知)……314
もちろん、「分かる」ために「たのしさ」を犠牲にするようなことはあってはならない。「分かる」ことを重視するあまりに、知らず知らずのうちに「たのしさ」を減らすような実践をしてはならない。が、しかし「分かる」ことによって増す「たのしさ」もあると思うのだ。
あとがき ・・・・・神田さやか
***目次担当者からの一言***
伊藤穂澄
13号を出してから随分たった気がしています。久しぶりに目次を打ちました。
夏やすみも終わって2学期は運動会の練習のまっさかり。でも,その合間をぬって仮説実験授業をやっています。小学校ではかえって時間割の変則なときの方が仮説実験授業がやれる気もするけどどうでしょう。今は<世界の国旗>と<磁石>をやっていますが,これから11月の公開授業にむけて,授業書を考えながらやっていきます。
ところで,11月の公開授業と入門講座,初めてのことなので見当のつかないことも多いです。また,たった半日ですが,平日に会をするとなると自分の一存だけではできないことが思った以上に多いなあと思っています。まだまだ具体的な動きは少ないのですが,いろいろ気になることだけはあります。さて,何人の方がきてくれるでしょうか・・。どうか,たくさんの人がきてくれますように・・。