仮説とともに
も く じ
まえがき ………………山内真美
★「これからの教師・教育に求められるもの」 2002.2.23
鳥取・仮説実験授業入門講座
皆生温泉 板倉聖宣(原田研一・編集)……1
そうしたら,教育で一番大きな変わり方をしなければならないのは,何なのだろうか?子どもたちが「“楽しい! これだったら,打ち込んでやる気がする”と言うものを見つけられるように支援することだ!」と思います。これは「総合だ」とかには全然関係がないのです。
★「総合的な学習と仮説実験授業」 2002.2.24
鳥取・仮説実験授業入門講座
皆生温泉 板倉聖宣(原田研一・編集)……35
普通の理科の授業では「原子・分子の話をする」と言うと,「そんなものは小学生には無理だ」とか言って,教えないかもしれないのだけれど,子どもたちが総合的に社会を見るためには,「〈すべてのもの〉は原子で出来ている」と言うことを知ったら,すごくいいのですね。
★「楽しくてためになる保健指導について」 2002.3.3.
第19回公衆歯科衛生研究会
神戸・兵庫県労働センター 板倉聖宣(原田研一・編集)……65
「すごく子どもたちが喜んだことは,どうやって分かるのか?」というと,すごく感動した時には,ほとんど確実に家に帰ってお父さん,お母さんに問題を出します。「お父さん知っている? お母さん知っている? 虫歯は悪い虫が口の中にいて歯を食べるの?」と問題を出すのです。
★「今どきの教育を考える視点」 2002.3.26
尼崎たのしい授業フェスティバル
尼崎・中小企業会館 板倉聖宣(原田研一・編集)……96
理想主義的な教育というのは一番いけないのです。観念的な理想主義ではなくて,現実的に理想主義が実現出来るようにすればいいのですね。社会主義の理念などもすごく理想主義的です。でも観念的な理想主義的だったから押し付けになってしまっておかしくなったのですね。理想主義的でない人間は人に押しつけることは出来ません。
★「社会の科学を見直すめがね」 2002.3.27
尼崎たのしい授業フェスティバル
尼崎・中小企業会館 板倉聖宣(原田研一・編集)……137
そして一方的になりがちな資料を,「私たち自身が知ろうとする時には,何が大事なのか?」ということを基準にして,そして資料に「イエスか,ノーか」を諮問する。そういう時にだけ本を読むという訓練をすると,完全にだまされないということは出来ませんけども,かなりだまされないということが出来るはずなのです。
★「2倍増になるかな犬山の仮説実験授業」 2002.1.10
名鉄犬山ホテル 板倉聖宣(今井雅晴・編集)……169
本当は下から起こってほしいのだけれどなかなかそうはいかない。中間管理職が、ちょっとたがを緩めれば、やる気のある人たちがちょっと強くだせる。そうすると世の中は変わっていく。
★ 概念ができること 2002,1,5
冬の大会ナイター
岐阜・十八楼
「概念」というのは,教えることができるわけ。「法則」は教えることができるわけ。「知識」も教えることができるけど,「概念」は悟りだからね。
★「許容範囲を広げる」 2002.1.31
自主研公開授業・事後研
宝塚・良元小学校 西川浩司(東垣淳・編集)……191
その間に,自分の許容範囲を広げることを考えながら,〈本当にすべての子どもの立場に立てるような実力をつけていく〉ということを,一つの目的意識の中に入れて欲しいです。目的意識を持たなかったら,人間は進歩しません。
●「認める」って?−僕と同和教育― 居川篤司(滋賀)……202
学校でもいろんな先生が「個性の尊重を!」なんて言われますが,その個性というのは自分のせまーいお盆の上に乗る世界で,そこからはみ出すものには理解を示さず,何とか自分の許せる世界に入れようとする感じをいつも受けます。
●調べてきました<葉緑素> 浜野純一(兵庫)……210
反射している色が緑だということは,葉緑素にとって必要でないものが緑だということです。葉緑素は,可視光線の真ん中あたりのエネルギー(緑)が必要でないのに,それよりも大きなエネルギー(菫)も,小さなエネルギー(赤)も,必要としているのです。変だと思いませんか?
●最初の印税作家は誰か 浜野純一(兵庫)……218
西鶴の売りは,町人ですね。支配階級でもなく学者(僧侶・儒者・医者)でもない身分の者が,同じ町人のおとなを対象に<娯楽作品>を書いた!まずそこです。作り手までがそういう身分になったところが,<仮名草子>との大きなちがいです。
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研究授業事後検討会 <虹と光>
斉藤一郎(リオデジャネイロ)……227
子どもの興味をひく教材を作っていく工夫をしよう。開発された教材を利用するの も良いが、手作りの教材も良い。それで教員も成長していくはず。いい教材はどんどん使っていいと思うが、今回の授業はオリジナリティーが少なかった。
●<電卓であそぼう>感想文集 板坂裕子(大阪)……230
そう考えると、短い授業書ではありますが、<電卓であそぼう>は子ども達の心をしっかりつかむスゴイ授業書ですね。 実は私も、メモリー機能や定数計算機能は、この授業書を読むまで、まるで使ったことがなかったので、ホントに得した気分です。
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「きちんと授業を受けろ」と言う前に
板坂裕子(大阪)……245
でも、当時の先生達は、「楽しい授業」を実現するための手立てを持っていなかったから、生徒達の要求に対してうろたえるか、説教でおさえこもうとするしかできなかったのだろう。
●うれしい感想文 板坂裕子(大阪)……248
そう心がけながらもうまくいかなかった事はたくさんありました。でも、「楽しい」を一番大事にしてきたことは間違いではなかった、そう私に確信させてくれたのはこの感想文です。
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『ぐちゃぐちゃ教師論』参加記 伊藤善朗(愛知)・……253
根っこが純粋だから平気で不純を生きることができる人もいれば、根っこが不純だから必要以上に純化に憧れたり酔いしれてしまう人もいる。そして、それぞれの成功者は往々にして、前者は人々に健全な笑いを、後者は人々に濃厚な感動を提供しがちだったりもする。
● 保健室から教室へ 増田友加(三重)……257
「今回はだめかあ」と思ったけど,気長に待っている事でまた彼女も再び仮説を楽しんでくれるようになりました。今はとてもうれしいです。
● はじめてのわくわくを終えて 小林美佳(大阪)……261
一気にやってしまうわくわくではやはりその場での定着度はかなり違って低くなります。でも楽しく勉強して分子模型を家に持って帰れば何度も見てくれる子もいたりするのかな?するとやっぱり楽しさがないとダメですね。
●とまどいながらも確かな実感を 安藤広樹(三重)……265
しかし、今の自分は、前に小学校にいた時とは随分ちがい、教師の力量、力でま
とめよう、気になることを克服していこうなどと意気込むことはなかった。子ど
もたちといっしょに楽しんでいこうという思いだった。
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これでばっちり<光と虫めがね>の
2部の第2問目の実験道具 山内真美(三重)……270
さっそく,理科室予備実験。見えた!すごい!スクリーンを取っても景色は見えました。しかもスクリーンを取った時の方が鮮明に見えるのです。
●<トルクと重心>3部を終えて 伊藤穂澄(三重)……272
初めてもとの授業書のまま3部をやってみました。ただ,〔問題1〕の予想で“エ,まったく見当がつかない”を選ぶ子供が半分いたら,もう一度竹田さんの改定案の方でしてみようと思いながら・・
● 娘の受験 伊藤穂澄(三重)……292
それと同時に今回ほど「意欲と自信が大事」と思ったことはありませんでした。意欲があれば,そして自信を持っていれば運までついてくるような気がしました。運がよかったなんて言うと,娘は「実力だ!」って言うかもしれないけどね・・。
●少なくとも初めてやる授業書は,授業書どおりに
竹田美紀子(愛知)……305
「この記録をそのまま出したら,仮説実験授業を始めて日の浅い人に「なんだ〜〜〜。こんなふうにやってもいいのかぁ〜〜」なんて思われはしないかと,それが心配になってきたのです。
●学校訪問を終えて 竹田美紀子(愛知)……307
昔は研究授業のあとの協議会にはテープを持っていって,一部始終を録音していたりもしたものだけど,今回はそんなこともしませんでした。それだけ,私の気持ちもゆったりしていたということでしょう。
●合わせる?合わせてもらってる? 竹田美紀子(愛知)……313
一人に合わせれば、ほかの子には合わせてないのかもしれない。一人に目をかければ、その回りの子に悲しい思いをさせているのかもしれない。そう思いをめぐらすことなく、結果的に目立つ子だけに合わせたり、目立つ子だけに目をかけたりすることになってしまっていることを、「大事なことだ」なんて私は思っていたくない。
あとがき ・・・・・・竹田美紀子
***目次担当者からの一言***
伊藤穂澄
新学期が始まりました。サークルでも「今年は何年生で・・」という話題から始まります。そして出会いの授業では「ブタンガス」をやった。○○をやった。授業は<電池と回路>から<空気と水>から・・・といろんな話がでてきます。
サークルでは総合的な学習も変則時間割りも,ものともせずにやりたいことや授業から当たり前のように始めている人が多いのがうれしいです。まずは楽しいことからはじめよう!というのが多分他の先生たちとの違いでしょう。「最初が大事」というのは同じでも,「最初のうちにビシッと・・」とか「最初にしつけて・・」なんていう話もまだ聞きますからね。きっとその違いはずいぶん大きいはずだと思うけど。
私の勤める学校も今年から毎年クラス編成をすることになりました。私は持ち上がった方が授業書もたくさんできるし,いいなあと思っていましたが,今年のように6年生にいきなり入る場合はやはりクラスかえしてもらえた方がいいなと思うから勝手なものです。
以前「学校は4月になると全てが新しくスタートするというのはいい。そこで区切りがあるのがいい」ということを言っていた人がいます。他の仕事だとなかなか区切りのはっきりしないこともあるそうです。だんだん暖かくなってくるこの季節に新鮮な気分で新しい学年をスタートする。きっと子どもたちもわくわくして新学期を迎えた子が多いのではないでしょうか。その期待にこたえられるように,今年1年1日1日を大事にしてすごしたいなあと思っています。
さすがに今は担任の仕事はたくさんあってばたばたしているけど,やっぱり担任はいいです。おまけに6年生。理科だけでなく,社会も総合も算数も・・やりたい授業書がたくさんありすぎて困っています。
今年度もぼちぼち『仮説とともに』を続けていきます。新しい出会いのこと,最初の授業のこと,何でもいいです。今のあなたの様子を資料にして送ってもらえるとうれしです。よろしくお願いします。
2002.4.20