仮説とともに
も く じ
まえがき ………………小林美佳
★「科学読物・編集・著作の考え方」 2001.11.3
科学読み物研究2001東京研究会
東京・お茶の水スクエア 板倉聖宣(原田研一・編集)……1
ところが,世の中混乱していて,初めから最後まで「考えなさい,考えなさい」と書いてある本が「良い本だ」と思ってしまう人がいるのですね。「何しろこの本は独創性を奨励している本ですから,とっても良い本です」などと言うのですが,そういう人は「考えなさい」と言うと独創性が発揮できるような気でいるのですね。
★「開会講演」 2002.1.4
2002年冬の大会
岐阜・長良川温泉十八楼 板倉聖宣(原田研一・編集)……
どういう社会になろうと,私どもはそれなりに楽しい人生を開きたいと思います。私たち自身だけではなくて,〈子どもたちも一緒に楽しい授業をすることが,楽しい人生を切り開く〉と言うことです。
★「子どもも教師も楽しく授業ができるようにする
教育は可能かー可能です」2002.1.10
犬山市理科教講演会
愛知・犬山市福祉会館 板倉聖宣(原田研一・編集)……
「教育は,子どもの自発性を大事にするのみならず,教師の自発性も最大限に重要視しなければいけないのだ」ということを知らないかもしれない。それを私は恐れています。教育長さんや市長さんを説得したい(笑い)とも思います。
★「授業を考える」―学びがいのある授業の確立
「授業学から授業研究へ」 2002.1.26
京都教育大学付属教育実践センター主催
第3回公開講演会・シンポジウム 板倉聖宣(原田研一・編集)……150
今の学習指導要領などは,そういう哲学的な知識を教えようとしていないのです。〈志が低 い〉のです。「〈教育の志〉が低いから楽しい授業にはなるはずがないのだ」と私は思う。
★「エリートの学力低下が一番気になっている」 2002.1.26
京都教育大付属 第3回公開講演会・シンポジウム
コメンテイターとしての発言 板倉聖宣(原田研一・編集)……189
それで僕はとても少数派ですから(笑い),「あいつは分からないことを言っていた」と 言ってもらって結構です。しかし私は「30年後,50年後には勝てる」という自信があ ります(笑い)から・・。
★ 授業運営の手立て(仮説実験授業の教師論)後編 2001,2,16
西川浩司 (今井雅晴・編集)……
だから、授業書の中身を知ったら、少しは授業のヒントの与え方とか実験の仕方とか説明の仕方が少しは変わるかもしれないけれど、基本的には、授業書の通り進んでいけば、子どもたちは自分から授業書の中身をつかんでいくのではないかというイメージなんです。
★「仮説実験授業における授業運営論の原則」2001.10.27
四條畷学園小学校研究発表会 西川浩司(東垣淳・編集)……
要は,先生も気楽に気持ちよく授業をする。子どもも気楽に授業を受ける。先生と子どもの描いている絵がうまく伝わり合うことによって,喜びも大きくなる。先生よりも子どもの方が理解が早い。
★「自然に進んでいく授業を」 2001.11.22
宝塚・自主研公開授業事後反省会 その1 西川浩司(東垣淳・編集)……
「注意散漫な子なのに,よくこんなことを覚えているな」ということもありますよね(笑)。反対に「こんなカシコイ子だったら,今までのことを関連づけて考えている」と思ったら全然そんなことがなかったりね。
★ 「教師は授業の中心人物ではない」 2001.11.22
宝塚・自主研公開授業事後反省会 その2 西川浩司(東垣淳・編集)……
だから,「子どもが主人公である」ということは,同時に「教師は主人公でない」ということです。そういう意識をもたないと,科学の授業はできないんです。
★「たのしい教師入門のための問題集」 2001,11.22
アミュー立川 中一夫・小原茂巳(滝口由美子・編集)……
楽しいというのは僕ら自身も楽しく,かつ子どもたちが楽しく来れるようなのがいいなと思います。そうするにはどういう知恵があるだろうかとか,どういうところが問題で,どうできるのか,いやこれはあきらめようとかそういうのを一緒に考えていきたいと思いますので・・
★「人間回復のかけはし」 2001,12.18
広島県三次市 牧野正直(井上健太郎・編集)……
先日「人間回復のかけはし」と言うタイトルのハンセン病にかかわってこられたお医者さんの講演を聞く機会に恵まれ、そんなに積極的な気持ちで参加したのではなかったけど、仮説以外で参加してよかったなあと久々に思える話が聞けました。
(井上さんから竹田への手紙の一説より)
●T.T(少人数授業加配)として 板坂裕子(大阪)……
「いくらT.Tとか、分割授業とか言ったって、授業の中身そのものが変わらなかったら、何をやったって一緒だ」ということが、本当によく分かりました。
●<量分数のすべて>が終わりました 板坂裕子(大阪)……
実際この授業書で授業しながら、分数の意味が本当によく分かりましたし、「おもしろいな」と私自身が思うことが何度もありました。この授業書で勉強した子ども達もそれなりに分数のおもしろさを少しは感じてくれたように思います。
●
大蔵永常から江戸時代後半が見える
板倉研究法に学びたい 末丸千早(広島)……
それは,江戸時代後半を全体的に見ることができる。そして,停滞期を迎えたこれからの日本の社会を見ることができる・・板倉さんの言葉に,私は湧き上がるような感動を覚えました。
●停滞の時代の変革
大蔵永常と江戸時代後半の農業 末丸千早(広島)……
米作中心の自給自足の経済の中に閉じ込められていた農村に,商品作物の栽培加工がはじまる転換期だったともいえるのです。つまり時代は全体として止まっているように見えるけれども,細かいところではうごいているわけです。
●異端への寛容 佐藤重範(岡山)……
ボクは,みんなに「自分らしく,ありのままのあなたでいてほしいです。素直な自分」でいてほしいです。そのためには,「異端への寛容」がとても大事だと思うのですが,どうでしょうか。
●満月の夜には虹を追いかけて
〜ムーンボウは簡単に見れるんです!〜 佐藤重範(岡山)……
森田さんに泥棒役をやってもらい,三人ともカッパを着て撮影開始です。本当に「アヤシイ撮影隊」です。授業書のこととなると,本当に恥ずかしさがなくなってしまいます。
● 2003年仮説実験授業冬の水上大会で
どんなことがやりたいか? 森下知昭(群馬)……
大会でいろいろなサービスがあったにせよ,本当にうれしいのはその結果,新しい授業書やプランの方向性が出てきて,利用できるようになることだと思う。
●「西鶴と迷信」 浜野純一(兵庫)……
俳諧師としての西鶴を知ってから,たいへん自己顕示欲の強い人というイメージをもちました。たいした句も残していない(と思う)のに,目立つようなことはたくさんしています。 だから,あまり好きになれませんでした。 それが,今回のようなテーマで調べていくことで,大きく変わりました。
● 研究授業事後検討会 <もしも原子が見えたなら>
斉藤一郎(リオデジャネイロ)……
仮説実験授業については、指導者の方針がしっかりしていれば、取り入れてよい。日本国内では届け出等も必要で、難点もあるが、活用しながら取り入れていくことはよい。
● 潔癖少女と<生物と細胞> 中西 康(三重)……
そういえば,初日の感想には「キモイ」の一言にボクは動揺してしまって,こん な大切な言葉が続いていたのを見落としていました。「でも,けっこう楽しいか も!」
●満を持して<虹と光>を子どもたちと 安藤広樹(三重)・……
その傍ら,早く<虹と光>の授業書をしたいと思いながら,機会を待った。その機会とは,@十分ば準備をする。A子どもが虹を見られる時期にしたい。
● 楽しかった<宇宙への道> 増田友加(三重)……
行事だけなら話もろくにしてくれなかった子とも,授業書を通じてつながることができました。初めての高学年で,最初は不安いっぱいでしたが,今年も信じてやりつづけてきてよかったと思います。
●2学期を終えて〜ケイ君が教えてくれたこと 大川孝子(三重)……
来年からたんぽぽに入級したいというのも,今では彼自身の希望だ。子ども自身が自分の学習の場を選択していくというのが,何か痛快と思える。
●<にている親子・にてない親子>を
桑名教研の理科教育で発表して 中島ゆかり(三重)……
助言者の方は,来年度に関わって評価のあり方について長く話されたけど,仮説実験授業については,楽しくてわかる授業というように評価してくださった。
● 「総合」 一騒動 小林美佳(三重)……
何人かの男の子に<世界の文字>はイヤだ!泥ダンゴが作りたい!と声を大きくして反抗されてしまいました。その子たちの言い分は,「総合は教室でやる勉強じゃなくて,遊びみたいのがいい」
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わくわくどきどき<光と虫めがね> 山内真美(三重)……
4部の「光のいたずら」の実験が楽しかったようですが,結構難しかったのに,楽しんでくれてほっと一安心と共に,子どもたちがとてもいとおしく思えました。
● 子どもにとって楽しいことは? 伊藤穂澄(三重)……
大川さんが「多分それは飽きると思う」と言ったこと。「はるほど」とそのときは思ったけど,本当にそうだなあと思った今回の出来事だった。
● サークルで授業書体験 伊藤穂澄(三重)……
でも,でもサークルで授業を受けている私はまさにその子なのです。そしてわかりました。それでも楽しいのです。
●<力と運動>・・・たのしくてわかる授業のために
竹田美紀子(愛知)……
西川さんを学ぶことによって<ばねと力>の授業は「楽しくてわかる授業」になりました。そして,「楽しいけどわからない」という感じだった時に比べて,歓迎度もうんとよくなりました。
あとがき ・・・・・・竹田美紀子
***目次担当者からの一言***
伊藤穂澄
2002年が始まりました。冬の大会に続き犬山の会にも参加しました。犬山では2時間びっしり板倉講演が聞けました。竹内さんが,「板倉さんの話は研究会の中での話より,他の会や外部の人に向けての方が圧倒的におもしろい」と言ってみえましたが,犬山でも本当に刺激的で楽しいお話でした。また,1月26日には京都教育大で,板倉先生の講演とシンポジウムがありました。私は時間の都合で早く帰ってきましたが,板倉先生の講演はもちろん,その後の板倉先生のコメントも予想通り過激で楽しかったです。先に帰ってきてもそれがわかるのは,原田さんのすばやいテープおこしと,編集のおかげです。そして,その講演記録が早々と『メールde資料』で流れるというのも刺激的だと思うのですがどうでしょう。
毎回,心配しながらも『仮説とともに』にもたくさんの資料を載せることができてとてもうれしいです。みなさんのおかげです。これからも地道に気長に続けていけたらいいなあと思っています。
ところで,美佳さんが小学校での講師生活を1月25日に終えて,2月に大阪へ引越します。引っ越しても仮説の関わりでつながっていけるけど,やっぱり寂しいです。
でも,今回のまえがきを読んで「美佳さんはこれだけ書くことがあったのだから,いい生活をしたよね」って思いました。講師なのに(だから)1歳になったばかりの子供をかかえての仕事復帰。私の学校で講師の口があるってわかったときに,私は美佳さんに連絡するのを少しためらいました。それは透君がまだ小さかったから。でも,美佳さんはすぐに保育園を探しに行きました。あまりの行動の速さにびっくりしたけど,「それだけ仮説がやりたいというのは,やっぱ人生変わったね」って思いました。しかし,またまた問題が・・12月から始めた講師なのに,3月にご主人の大阪への転勤が急に決まったのです。さすがに今度は「無理をしちゃだめよね・・」って思ったけど,ご主人の理解があるのか,美佳さんの熱意(わがまま?)が強かったのかご主人の単身赴任。ますます透君がいるし,大変だろうなあと思ったけど,はたで見ていて,そうでもなかったようのに思ったのは私だけ・・?美佳さんはほとんど学校を休まず,透君を連れて大会やサークルに来てくれました。
多分,他の人からみたら「そこまでしてなぜ?」って思うかもしれません。「お金のため」って思う人には真似できないぐらい,美佳さんは自分でいろんなものを買って教室に持ち込んでいましたからね。本当にいきいきしていた美佳さんでした。
最後が近づいてきたときに,校長先生が「あの人は本当に家にいられるのか?まだ,若いのだから採用試験も受けたらいいのに・・大阪なら講師の口も多いだろうけど・・もったいない・・」って私に言ってました。美佳さんのこれからに期待しているのは私だけではありません。冬の大会で萌出さんの講演を聞いて,「公民館がある!完全週2日のこれからは需要がありそうだよね」ってさっそく考えている美佳さん。これから何をやってくれるのか楽しみにしています。
2002.2.3