仮説とともに

も く じ

まえがき                    ………………竹田美紀子

 

北朝鮮問題その他       板倉聖宣(竹田美紀子・編集)……1 

         発想法講座                          2002.10.4

でも、「1回おかしくなった社会体制のところで、ニュースは読んではならない」というのが僕の見解です。ニュースを読めば読むほどごまかされる。つまり一方的な情報ばかりが流れるんですから、一方的な情報をそれでも情報だと思えば、間違った情報なんですから、それが客観的な情報だと分かるような情報以外はシャットアウトすること、それが大事だと思っているんです。

                    

★教育改革における〈たのしい授業〉の役割

    四条畷学園小学校          2002.10.26

    板倉聖宣(原田研一・編集)……18

今日の議題は教育革命におけるたのしい授業の役割,たのしい授業の役割と言うのですが,楽しい授業が出来ればいいのですね。楽しい授業が出来るためには,そういう色んな配慮や,教育目標を吟味しなくちゃあいけない。その教育目標に合わせて教育内容も変えなきゃあいけない。教育内容に合わせて教育の展開のしかたを変えなきゃならない。

 

総合学習の展開と仮説実験授業の役割

 四条畷学園小学校          2002.10.27

    板倉聖宣(原田研一・編集)……48

 それで,指導要領が変わった時の1,2年間は,あるいはせいぜい3,4年間は,現場の先生はかなり新しい教育のプランに合わせて研究をいたします。しかしその間に飽きてしまう。「飽きる」と言うよりも,くたばってしまうのですね。総合学習の場合は絶対にくたばります。他の学習だったら飽きちゃうのですけれども,総合学習では新しいことをやるのだからくたばってしまいます。

子どもにとって必要な学力とは

 豊前市民会館          2002.12.3

     板倉聖宣(原田研一・編集)……78

 私の学力についての提案の根源は,「今の教わっていることの程度を上げろ」と,そして「バラバラにしろ」と。A校とB校,C校で,子どもが学校が教わることが全然違ってかまわないのです。全然違ってかまわないのだけども,「その教わることについては完全に楽しく興味を引くように教えよう」と言うことなのです。これは出来るのですね。

 

時事問題その他      板倉聖宣(竹田美紀子・編集)……118

         発想法講座                          2003.2.

たとえば,今の北朝鮮の将軍様が自己批判したりすると,日本人はびっくりするでしょ。「すごい国だなあ」「最高権力者があんなに見事に自己批判した」と,そういうような反応が出ちゃうでしょ。誰かが一生懸命解説するかもしれないけど,解説は間に合わないね。そうしたら,普通は最高権力者が自己批判したら,自己批判したままになるだろうと考えるでしょ。そのときにどうなるかは知らないけどね。でも,朝鮮の歴史にはそういうことがたくさんあるんです。

小学校の教師,中学校で授業をする 河上温知(鳥取)……124

授業を行った翌日,5年生の男子児童がわたしのところにやってきて「お姉さんがうれしそうに<クラスのみんなが授業がとてもおもしろかった>といっていた」なんて言ってくれて,さらに私の顔がほころんだのでした。

 

     センチとcent―        佐藤重範(岡山)…・・127 

「そうか、そうだったんだぁ。<百>なんだぁ」とやっと「cent=100」ということが認識できるようになったのです。それから洪水のように頭の中から「cent」のつく言葉が出てきました。すごい感動でした。                

●クロネコと郵便番号        佐藤重範(岡山)……131

返事を見ても、「お客様本位」の姿勢が感じられて、学ぶべき点が多い会社だなぁとあらためて思うのでした。もうしばらく様子を見てみたいと思います。

     大きなカメラ・オブスキュラに入ってみませんか?             

              佐藤重範(岡山)……133

本当に暗い部屋で<camara obscura「暗い部屋」の意>天気がよければ、大山がくっきりと向かいの壁に7mもの大きさできれいに写っています。

●カナヅチとドザエモン       佐藤重範(岡山)……135

「人間は力を入れたとき、筋肉の体積が減って浮力が減ります。筋肉の力を抜くと、体積が増え、浮力が大きくなり、水に浮かぶのです」というわけです。本当にそうでしょうか。

 

NHK学校放送 「FOR YOU

  「プールで見つけた俺の人生」を

          スポーツ学科の学生さんに見せて

                                 西村寿雄(大阪)・・・・・・・137

いつか不破さんのように力の限界を感じて自分の道を予想変更する必要に迫られる時が来るはずです。そんなときに備えてほしいとも思いました。

 でも一時は、このビデオを今の学生さんたちに見せるか見せないか迷いました。それは、一つはオリンピック出場まで夢見た不破さんの挫折の場面がこのドラマでは大きく出てくることです。

 

ピーターパン訪問記          葉貫正憲(福島)……145 

 の事業が軌道に乗ったら分子模型づくりを扱う授業は飛躍的にやりやすくなると思います。発泡スチロール球とペンキを買って、色を塗って、乾かして、授業まで保管するという作業は、授業以上にエネルギーを使います。それをできる先生というのはよほど体力やものづくりなどに自信のある先生でないとなかなかないからです。                 

●萌出氏のサイエンスショー       葉貫正憲(福島)……148                   

 萌出氏のあいさつ後すぐ開始。萌出氏は、必要な道具類を演台にのせたまま話し始

めた。いつものことながら、萌出氏の進め方の特徴は飄々とした語り口で、ときに冗

談を交えながら、いつの間にか自分のペースへ引き込んでいくところにある。

 

●風のたより

笑顔でいてほしい 元気でいてほしい 幸せでいてほしい

                            森下知昭(群馬)・・・・・153

 この後,ボクが教師生活を続けている限り,何人もの子どもにあうだろう。その子

らにも仮説実験授業をするだろう。喜んでくれる多くの子どももいるかもしれない。

でも,今の彼女を救えなかったらボクはやっぱり悔やむ。彼女の笑顔が取り戻せなく

て,何のための仮説実験授業なのだろう。ボクにとっては今が大切。

名が体を表すというのなら        森下知昭(群馬)・・・・・158

そのため「社会の科学」とわざわざ「の」の字を入れているわけです。そしてこの名称は分科会名として定着しています。そして何よりその名称にふさわしいだけの内容を持っています。こう考えていくと学校の中で使われている法令用語としての教科名をそのまま使うことに抵抗を感じるのです。

 

組体なんて                板坂裕子(大阪)……170

自分も含めて先生たちは、向きが揃っていた方がきれいとか見栄えを結構気にするのですが、子どもたちは先生が考えている程そんなことを気にするのでしょうか?また、見に来た保護者たちは気にするのでしょうか?練習で何を大切にしたらいいのか?すごく考えさせられました。

《トルクと重心》(1・2・5・6部)を終えて    

板坂裕子(大阪)……176

 およそ1ヶ月半かかってこの授業書を楽しんできました。忙しい運動会前も、授業書のおかげで自分を見失うことなく(見失いかけたけど) 過ごせたかなと思いました。今回は、最低の「1、とてもつまらなかった」が1人もなかったので、リターンマッチはうまくいったと言ってもいいですね。

この5年間で得たもの      板坂裕子(大阪)……183

今の学校に来て、なかなかすごい子ども達(教師にいろいろな問題を突き付けてくれた、という意味ですごいと思う)に出会い、私は何を大切にして教師という仕事をすればいいか、本当にいろいろと考えることができました。そして、「仮説実験授業をできるだけいっぱいやろう」という結論に行き当たりました。

 

     「マネしたい」と言われるものを作りたい  

中谷昭広(福井)・・・187

 「教育においても同じことが言えるはずだ」と改めて確信できたとともに,謙虚な姿勢で仕事に臨む開発部の人たちに頭の下がる思いがした日でした。

「こいつ,おもしろい奴だな〜」       中谷昭広(福井)・・・188

 IさんもYさんも,普段のボクにはほとんど関わりのない人たちだけど,そういう

人たちが,素直に感じたことをわざわざボクに伝えてホメてくれるってのが,なんだ

かとってもうれしかった日なのでした。また,「〈楽しさを求める考え方〉って世の

中の人たちにどれだけ受け入れてもらえるんだろう」というボクの疑問に,一つの答

えを与えてくれた日でもありました。

〈平均点信仰〉に惑わされないために   中谷昭広(福井)・・・190

 <平均点信仰>の話に戻りますが,<平均>を<唯一の分布の代表値>とみなしてよいのは「結果が,単峰性かつ左右対称の分布をしているときだけ」です。このとき,<平均値>と<中央値>と,<最頻値>が一致するからです。

 

     最大の敵は「教師の不機嫌」  増田 友加(三重)……198                                                      

 とにかく嫌々だった自分が、子どもの前で不機嫌にならずに、最後までできてよ

かった。子どもにとって最大の敵は教師の「不機嫌」、こう自分に言い聞かせてき

た。 犬塚さんは、こうも書いていた。「教師自身にとっての最大の敵も実は自分の『不機嫌』なんだ。誰だって自分の機嫌をとるのが一番難しい」その通りだと思う。 

 

●なぜ授業をやる気になったの?<記号・都合・暗号>の場合

                    伊藤穂澄(三重)……203

出口さんも名古屋西サークルの感想を見て(?)かなり弱気になり,全くやり直すようなことも言っていたので,私が授業をしても役にたたない気もします。でも,いいのです。ここまで来たら最後までやって感想を聞いておきます。

 

仮説実験授業はカウンセラーを必要としない社会を目指しているが・・・・

竹田美紀子(愛知)……213  

仮説実験授業をやっているクラスでも,学級崩壊になることがある。仮説実験授業をやっているクラスからでも,不登校は出る。応急処置は応急処置でしかないかもしれないけど,仮説実験授業研究会の中で一人ぐらいそういうことを勉強する人がいてもいいかも知れないと思いつつこの資料を書いていたら,今日頼んでおいた通信教育の願書が届いた。

<結晶〉の授業書検討会に参加して      竹田美紀子(愛知)……223

 だから、基本は「賛否両論あったら変更しない」「骨組みは変えない」「みんなが困っているところが、もしあれば、それを変更するにとどめる」ということになるのではないかと思います。

●無駄に思える時間が大切なのかもしれない 竹田美紀子(愛知)……

  そして,最近気付いたのは,その示唆というのは,ちゃんとした講座だとかサークルのきちんとした発表よりも,喫茶店へ行っての雑談だとか,ナイターだとか,行儀のよいような場面でないような,そう,一見馬鹿馬鹿しいような時間の使い方の場面から得られることが多いのではないか・・・ということなのだ。

プロ               竹田美紀子(愛知)……             

 私たちの場合,それにはどんなことがあるのだろうか?いや,一般教師のことまで考えなくてもいい。仮説実験授業を知った私たちには,プロとしてどんなことが言えるだろうか?考えてみたいと思う。

 

 

 

あとがき              ・・・・・伊藤葉子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***目次担当者からの一言***

                             伊藤穂澄

  2003年も2月になりました。教室には「卒業まであと○○日」と30日を切ったカレンダーがかけてあります。これといった資料も書かないまま,15号の目次をうっています。

1日に1つだけの授業書というのは,卒業前には物足りない気もするのですが,今は少しのんびり仮説実験授業を進めている私です。

今年の6年生はたくさんの授業書をやってきた子どもたちです。3年生の<足はなんぼん>からはじまって,4年5年6年と理科の授業時間の9割以上の時間を仮説実験授業を受けてきた子どもたちです。彼らには仮説実験授業が当たり前になっていて,特別な授業ではありません。そして「感動的な感想文」もなければ,「盛り上がった討論」もほとんどありません。そんな状態になれっこになって,たまに「もっともりあがってもいいのになあ・・」とか「もっと喜んでくれてもいいのに・・」なんて思ってしまうわがままな私がいます。でもでも,そのあとで思うのです。たったひとことでも「楽しかった」と書いてくれるすごさ。授業が「楽しかった」のが当たり前なんてね。

新鮮な感想文もないというのは,それだけ「たのしい授業」が当たり前ってこと。

やっぱり幸せな子どもたちだったと思うことにします。

                            2003.2.11