復刻にあたって

 
 『娘に贈る 私の仮説実験授業ハンドブック』というガリ本は2003年に作りました。最初に200部作って,そのあと100部。全部売れてしまいましたが,表紙が300部しか作っていなかったので,需要があるように思ったものの,それ以上増刷することはしませんでした。
 今回,私の退職を記念する会の第2回目をきっかけとして,これを復刻することにしたのですが,実は最初は復刻ではなく,同じようなテーマの2009年版のガリ本を新しく作るつもりでした。このガリ本の中に入っている資料には1998年ぐらいに書かれたものも多かったので,それから10年たって時代に合わなくなっている部分も多いのではないかと思ったからです。
ところが,資料をとり出して読んでみると,全然そんなことはありませんでした。書き直したり付け加えたりした方がいい部分なんて,ほとんどなかったのです。ここに書いたことのほとんどは,私自身がいろいろ失敗したり,試行錯誤したりした上の結果だから,それに変わることはあまりないということなのかもしれません。そこで1つ1つの資料についての2009年3月現在の私の気持ちも書き入れることにして,全体としては前のガリ本の復刻増補版を作ることにしました。(ただし,「おうちの人へ」の文章については何も書きませんでした。いや,書けませんでした)
この後に最初に作った時の前書きも載せますが,その時の気持ち同様,
どなたかのお役にたつものが出来上がるといいなあと思っています。
              2009年2月7日

追記 (2009年3月1日)
 
 「復刻増補版を作る」と決めて,いろいろ整えていた私のもとに,1つのテープ起こしが届きました。それは,2月13日におこなわれた私の退職記念の公開授業の日に私が話したことをテープ起こししたものでした。しかも,それは一人だけでなく伊藤穂澄さんと澤田京美さんの二人が同時に起こしたものでした。この日は公開授業の後,私と娘の講演会ということになっていたのです。
 そこで,そのテープ起こししたものと,その編集後記のようなものも「おまけ」ということで,この冊子に一緒に載せさせていただくことにしました。この冊子は一応私の退職記念の2冊目の冊子ということになっているので,お許しください。

 4月からの私は,私にとって「第一希望」というようなものなので,〈うきうき,わくわく,すでに心はそっちに行っている〉という状態であってもおかしくないと思うのに,全然そんなことはありません。教室で子供たちと向き合うこの生活がもうおしまいかと思うと,淋しくて淋しくて,悲しくて悲しくて,・・・・そういう思いでいっぱいになっているのです。・・・・そんなことを娘に話したら「それだけいい教師生活だったってことだね」と言われましたが,そうなのかもしれません。
 この冊子はそんな私の教師生活の集大成に似たところもあるかもしれません。

も  く  じ


復刻にあたって  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
はじめに     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

●初めて仮説実験授業をやってみようと思う人に・・・・・・・・・・10
    私の思う〈仮説実験授業の基本的な運営法〉です。
    
●おばあちゃんの知恵袋
    
その1 仮説実験授業をやるにあたって,教科書を
やらないことについての批判が心配な時 ・・・・・・・・・・・・・・・ 21
その2  討論のための手立てではないけれど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 
その3  授業記録について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
その4  ほかの授業をどうするか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
その5  大変な子がいたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 
その6  評価が悪かったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48
その7  通知表について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
その8  子どもに嫌われてしまったかもしれない時・・・・・・・・・・・・・・・ 56
その9  おうちの人へのかかわり方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     (「ちょっと一言おうちの方へ」もみてください) 59
その10  子どもの問題行動にどう対処するか【ある事例研究】・・・・ 63
その11 新しい学校で初めて仮説実験授業をはじめるとき・・・・・・・・ 70

●プ     ロ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75

●不登校の子に私はどう対応したか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80

●ちょっと一言おうちの方へ
 実際に親さん向けに書いた文章の一部
4月 その1(担任した一番初めに)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85
   4月 その2(間違えても叱らないで) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88
     4月 その3(授業参観のお礼とまた別のお願い) ・・・・・・・・・・・90
     5月(意見を言う子言わない子) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92
     6月(劣等感を持たないために) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95
     7月(初めての通知表)(復刻にあたって付け加えました)・・・99
    10月(立春・原子) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
  
●漢字マッキ-ノで漢字が覚えられる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105
仮説実験授業以外の授業の一部

●具体的な漢字マッキーノのやり方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・109
復刻にあたって付け加えました。

●九九もビンゴでいけるかも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・115
仮説実験授業以外の授業の一部

●授業者ではない立場から学んだこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
   2008年に書いた資料です。復刻にあたって付け加えました。

●おまけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・129
・私が大事にしてきたこと    竹田美紀子(編集:澤田京美・伊藤穂澄)
・たのしく学び たのしく生きる 竹田かずき(編集:澤田京美・伊藤穂澄)
・テープ起こしを終えて                  澤田京美
・竹田さんの授業を見る会が終わりました。         伊藤穂澄   

あとがき              伊藤 穂澄 ・・・・・・・・・・188